【寿司】赤シャリ(赤酢)と白シャリ(米酢)の違いを解説

職人の技術



悩む人
寿司の赤シャリ、白シャリの違いを教えてください。

どうも。ハマちゃんです。今日は寿司屋で使われるシャリについて解説したいと思います。

ーこの記事を読むとわかる事ー
❶赤シャリの正体→赤酢を使ったシャリについて
❷白シャリの正体→米酢を使ったシャリについて
❸時代によってのシャリの変化の流れ

赤シャリ(赤酢)と白シャリ(米酢)の違いを解説

お寿司を食べるときシャリの色はどんな色をしていますか?

おそらく普通の方は白いとお答えするかと思いますが、たくさんある寿司屋さんの中には白いシャリだけでなく赤いシャリを使用している寿司屋さんもある。

見たことのない方はなんでシャリが赤いの?そんなの寿司じゃないと思われるかもしれません。しかし、実際に寿司好きの中にはこの赤シャリでないと食べた気にならないと話す人もいるほどです。

その赤いシャリと白いシャリについてお伝えしていきます。

赤いシャリの正体

赤いシャリの正体を明かしていきます。

赤酢を使った「赤シャリ」

ずばり赤シャリとは赤酢という酒粕を原料に作られたお酢を用いて作られるシャリのことです。この赤酢を酢飯に使うとご飯が赤みを帯びることから赤シャリとか赤酢シャリと呼ばれます。

赤酢って?

赤酢は、日本酒を製造する際に発生する酒粕を熟成させ、その熟成させた酒粕を原料として作られる粕酢のことです。米酢より赤みを帯びていることから赤酢と呼ばれています。その歴史は古く江戸時代、日本酒の生産が拡大し、その副産物である酒粕を熟成させて作られたとされています。

大昔、江戸でお寿司が流行した時代では、この赤酢が主流で使われていました。米酢に対して安く手に入れやすかったことから赤酢が使われていたようです。米酢にはないコクや、まろやかな酸味と旨味が東京でうけ赤酢の江戸前寿司が大衆化し、どんどん需要が高まっていったとされています。

なぜ赤酢を使うのか(考察)

あくまで考察ですが、日本酒が大量につくられ、その時に副産物として生まれる酒粕をほおっておいたら勝手に熟成され、赤酢が誕生したのではないかと思います。

何かに使えないかと考えた人間が、その赤酢を使ってお寿司を作り、赤酢を使ったシャリ赤シャリが誕生。これが予想以上に流行り、大評判になった。そして、江戸前寿司に赤酢を使うのが主流となった。

あくまで僕の考察なので、いろいろ諸説あると思いますので参考までにお願いします。

白シャリの正体

ここからはいわゆる、白シャリについて説明していきます。

米酢を使った「白シャリ」

白シャリは皆さんもご存知かとは思いますが、米酢をつかったシャリの事です。ほとんどの方がこの米酢からつくられる酢飯を普段口にしているのではないかと思います。

米酢とは?

米酢は、米のみを主原料とし醸造して作られたお酢です。よく一般家庭で使用される穀物酢とは主原料が違います。穀物酢は米だけでなく、小麦やコーンなども使用し作られています。米酢は穀物酢とは違い米の旨味や風味を生かし、米だけで作られています。寿司業界では赤酢と比較して透き通っている事から白酢ともよばれています。

米酢の特徴はシャープな酸味と華やかな香り

上で説明した赤酢は基本的には塩のみで合わせ砂糖を用いないことが多いのに対して、米酢はしっかりめに砂糖を入れて合わせることが多いです。その理由は米酢のシャープさがゆえに、赤酢のようなコクがなく寿司にしたときにタネとのバランスがうまくとれなかったからだといわれています。

ー寿司職人の技術ー
最近では米酢をメインで使いながらも、砂糖の量を抑えるために、赤酢を全体の10%から15%混ぜ米酢の華やかな香りを活かしつつ、シャープな酸味、塩の角を抑えたりする職人の技も生まれています。

時代によってのシャリの変化の流れ

前述もしましたが、もともと江戸前寿司では赤酢を使う事が主流でした。

なぜ今の主流は米酢なのか

それは第二次世界大戦が背景にあると考えられています。

黄変米

戦後、食糧難だった日本に外国からの輸入米が国民に配給されていたらしく、当時ビルマ(現ミャンマー)から輸入された米の多くから黄変米が発見されたとあります。

ー黄変米ー
黄変米とは…人体に有害な毒素を生成するカビが繁殖して黄色や、橙色に変色したお米のこと。

これにより多くの国民が黄変米に神経質となり、少し赤みの帯びた赤酢のシャリに黄変米混入の疑念を抱くようになった。そして、赤酢を使用する寿司店に苦情が相次ぎ、寿司屋は対策を取らざるを得なくなったようです。

物資難

また、一説によると戦後の物資難で熟成に時間を要する赤酢の供給が不足していたことも要因の一つであるとされています。

これらの要因に対して寿司屋が対策をうった方法が赤酢を使用せず、米酢を使用する事だったのです。その結果多くの寿司屋が赤酢の使用をやめて、米酢に酢の種類を変えました。

赤シャリ(赤酢)と白シャリ(米酢)の違いーまとめ

寿司の文化にはこういった面白い歴史が沢山あり、終わりなき疑問が沢山あります。

そういった寿司の文化について知る事で、より自分にあったお寿司、本当に美味しいお寿司を見つけることができると思っています。

この記事では、酢飯にする上で使用するお酢の歴史、違いについてまとめてみました。実際食べた時にどう違うのか、どんなタネにどのシャリが合うのかなど疑問も残っているかと思います。

以下の記事で実際に比較検証した内容を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

では、この辺で。