どうも、ハマちゃんです。今回は赤酢の握りと米酢の握りを検証をもとに解説したいと思います。
❶赤酢と米酢の違い
❷それぞれの白身魚との相性
❸それぞれのコハダとの相性
❹それぞれのマグロとの相性
目次
赤酢と米酢の違いを検証
赤酢と米酢の違いを検証を基に解説して行きます。
結論から言いますと答えはないです。寿司職人によって考え方も違えば、ターゲット、客層、その土地の地域性なども違うからです。
ですが、合わせるタネによって味わいが違う
のには間違いありません。その違いがおおよそどんな違いなのかを読者の方がイメージしやすいよう解説します。
赤酢と米酢の違いについて
まず簡単に元となるお酢である赤酢と米酢の違い
をご説明していきます。
赤酢とは
赤酢は、日本酒を製造する際に発生する酒粕を熟成させ、その熟成させた酒粕を原料
として作られる粕酢のことです。米酢より赤みを帯びていることから赤酢
と呼ばれています。その歴史は古く江戸時代、日本酒の生産が拡大し、その副産物である酒粕を熟成させて作られたとされています。
米酢とは
米酢は、米のみを主原料
とし醸造して作られたお酢です。一般家庭で使用される穀物酢とは主原料が違います
。穀物酢は米だけでなく、小麦やコーンなども使用し作られています。米酢は穀物酢とは違い米の旨味や風味
を活かし、米だけで作られています。寿司業界では赤酢と比較して透き通っている事から白酢
ともよばれています。
それぞれの通称
上記のお酢を使用してつくられる寿司飯をそれぞれ赤シャリ、白シャリ
といいます。
この後この2種類の酢飯を使った握りの味わいがタネと合わせるとどういった違いがでてくるのかについてご説明します。
こちらの記事でも違いや歴史などにも触れて記事にしています。参考までにぜひご覧ください。
白身魚との相性ー赤シャリor白シャリ
まずは白身魚との相性をそれぞれ比較しています。
≪クエ≫ ー ※使用時のスペック記載
・産地ー長崎県、五島列島沖 ・魚体ー3.2㎏
・状態ー水洗い骨付き1晩寝かし後、昆布締めにしてさらに2日寝かしたもの
赤シャリ | 白シャリ | |
魚の旨味 | 感じにくい | 酸が旨味を引き立てる |
バランス | 赤酢の旨味が勝つ | 心地良い |
余韻 | 赤酢の旨味だけが残る | バランスよく旨味が残る |
総評 | △ | ◎ |
この比較を見る時に、気をつけてほしいのはシャリの量は赤白同じ量と、タネのサイズも同じサイズ感で握っているということ。
要するに、レベルの高い寿司職人は自らが扱うシャリに応じてネタのサイズや握るシャリの量
を決めているという事です。
コハダとの相性ー赤シャリor白シャリ
コハダとの相性を比較していきます。
≪コハダ≫ ー ※使用時のスペック記載
・産地 ー 熊本県天草 ・サイズ ー 70g弱
・状態 ー 脂乗り具合◯、鮮度感問題なし、締め具合ハマちゃん流
赤シャリ | 白シャリ | |
魚の旨味 | 旨味が増す | 脂の旨味を引き立てる |
バランス | コハダの香りが消える | シャリの酸味が勝つ |
余韻 | コハダの脂のコクを感じれる | 酸味がたつ為キレが良い |
総評 | ◯ | ◯ |
どちらも素材の味や香りを引き立てる。赤シャリはシャリにコクがある分、コハダの脂と相乗効果を生み出し美味しいが、シャリが押し気味。
白シャリはコハダの香りを邪魔せず、旨味も引き立てる。ただ、酸のキレが押す。
職人は寿司屋の顔であるその店のシャリに合わせて魚を仕込み、寄せていったり、調整したりする技術があります。
コハダの締め方の紹介記事もございます。ぜひ参考に!
マグロとの相性ー赤シャリor白シャリ
マグロとそれぞれの相性を比較していきます。
≪本マグロ≫ ー ※使用時のスペック記載
・産地 ー 宮城県塩釜 ・サイズ ー 100kg弱
・身質 ー 柔らかい、鮮度感なし
赤身
まずは赤身
から見てみましょう!
赤シャリ | 白シャリ | |
魚の旨味 | 旨味がひきたつ | 旨味がひきたつ |
バランス | マグロの香りとシャリの香りがマッチする | マグロの酸味と酢の酸味がマッチする |
余韻 | マグロの良い香りが口に広がる | 酸のキレからか、香りがぬけていく |
総評 | ◯ | ◯ |
赤シャリはマグロの時期が良い(2月上旬)からか、赤身の香りが赤酢の香りとマッチして口の中も心地よい
です。マグロ好きにはたまりませんがマグロが苦手な方にはこの香りが赤身臭いと感じることもあるのかもしれません。
僕はマグロが好きなのでたまりません。
逆に白シャリはいい意味で香りが程よく抜けていく感じ
がするのがまたいい感じ!
儚く散る夏の恋。みたいな感じ?…ちょっと違うか…マグロ好きには物足りなく感じてしまうかもしれません。
中トロ
中トロ
いきましょう。
赤シャリ | 白シャリ | |
魚の旨味 | The 旨味の相乗効果 | 甘味をしっかり感じれる |
バランス | マグロの甘みと酢飯のコクが相まって、幸せ。 | ぼんやりした旨味を酢飯がくっきりさせるイメージ |
余韻 | 幸福のひととき | 上品 |
総評 | ◎ | ◯ |
赤シャリはとにかく合う。咀嚼するとマグロの旨味と酢飯の旨味が混ざり合い、深い味わいが楽しめます。赤身とは違い脂がある分マグロの脂が酢飯を取り囲んでくれるようなイメージ。
白シャリはマグロの甘みを引き立てて、上品な味わいを感じれます。眠たそうにしてる子のケツをたたいてシャキッとさせる感じ??
ん〜…表現が難しいです。
赤酢と米酢の違いを検証ーまとめ
今回は少ないですが、僕がこの時期よく使うクエと、江戸前寿司の代表的なタネであるコハダ、あとは寿司にはかかせないマグロを使って比較してみました。
なんとなく赤酢と白酢の特徴を知る事で、この時期のこういうタネにはこの酢が合いそうだなと想像することはできます。だからこそたくさん情報をお客様や読者の皆様に伝えたいです。そうする事で僕も成長できるし寿司をより好きになって行きます。
何度も言いますが、寿司に正解はありません。あなたが美味しいと思うお寿司が美味しいお寿司なのです。
誰かが美味しいと言うから美味しいのでもなく、赤酢を使っているから美味しいのでもなく、繁盛店、高級店だから美味しいのでもなく、あなたが好きなお寿司が美味しいお寿司です。
お寿司は自由です!
僕のブログを読んで、もっとお寿司を好きになってもらえたら嬉しいです。
では今回はこの辺で。
どっちがどう美味しいのか分かりません。