どうも、ハマちゃんです。今日はカワハギというお魚について解説していきたいと思います。
❶カワハギとウマズラハギ、ウスバハギの違い
❷カワハギの名前の由来
❸カワハギの生態と旬
目次
カワハギの種類や違いについて【肝が美味さの肝】
カワハギというお魚の名前は誰しも一度は聞いたことがあると思います。
しかし、通称カワハギと呼ばれる魚には3種類ほど存在し、その種類によってどのような違いがあるかは知らないって方が多いのではないかと思います。
そこで今回は「カワハギ」に着目して見た目の違いや味わいの違いを明確に解説していきたいと思います。
カワハギとウマズラハギ、ウスバハギの違い
まず地域ごとに「カワハギ」と呼んで思い浮かぶ魚のイメージが違うとややこしいので、ここで一度画像と正式名称を用いて、3種類のカワハギを比較してみます。
①カワハギ
まず正式名称が「カワハギ」の本当のカワハギがこちら。
おそらく多くの人が「カワハギ」というと思い浮かぶのがこの写真の魚だと思います。
②ウマズラハギ
次にこちらの魚。
カワハギと呼ばれることもありますが、正式名称は「ウマズラハギ」と言います。
①のカワハギと比べると顔と胴体が横に長いのが特徴です。
③ウスバハギ
地域によってはよく見かける安価な魚ではありますが、初めて見るという方もいるはずです。
正式名称は「ウスバハギ」と言います。
このように似ている特徴はあるものの、見た目は全く違うのに同じ「カワハギ科」の魚であることから総称して「カワハギ」と呼ばれることがあります。
見た目の違い
この3種の違いとして1番わかりやすいのが見た目の違いです。
名前にもその特徴が現れており、カワハギ(本ハギ)をベースに見ると、ウマズラハギは名前の通りカワハギを「ウマヅラ」にしたような横に長い顔をしています。
ウスバハギは薄くぺらぺらした葉のような平たい見た目をしています。正式名称の「ウスバ」の由来も見た目の様から名付けられています。
味わいの違い
味わいの違いは3種とも皮と身との間に血合がなく淡白な味わいです。
カワハギ→ウマヅラハギ→ウスバハギの順に味わいが弱く単価もそれに比例すると言われています。どの種も肝がよく発達する為、肝と一緒に食す事が多いです。
余談ですが、、
違いがわかりづらいのをいい事に、3種の中でも高値で取引されるカワハギとうたって「剥ぎ身」にされたウマヅラハギやウスバハギが売られている事があるので注意が必要です。
カワハギの養殖
カワハギは成長スピードが早く、肝の発達が良い為、養殖も日本各地で行われています。
カワハギの養殖は天然種苗を利用しています。つまり天然の稚魚を採取して、その稚魚を人工的に育てています。いわゆる「蓄養」です。
面白いのがカワハギの食性がムラサキイガイなどの二枚貝類も好んで食することから、カワハギ単独で養殖するのではなく、飼育網に付いたムラサキイガイなどの付着生物の掃除役としてブリ(ハマチ)などの魚との混合養殖を行う事が多いそうです。
また一般的なカワハギの肝は季節によっても違いがありますが、よく肝が発達していると言われる冬の時期で6〜8%の肝比重なのに対して、養殖カワハギの肝比重は年間を通してもそれを上回る10%ほどであるとも言われています。
このように肝が美味しく食べれる分、近年トラフグよりも歩留まりが良いため養殖のカワハギも人気な食材になりつつあります。
カワハギの名前の由来
カワハギだけでなく他の2種にも名前に含まれる「ハギ」というのは、これらの種の皮が硬くて丈夫な為、「皮を剥がないと食べれない魚」ということに由来しています。
また皮が剥ぎやすいことにも由来するようです。
カワハギは別名で、「ハゲ」「カワハゲ」「マルハゲ」「バクチ」「バクチウオ」などの名前が付けられています。「ハゲ」「カワハゲ」は、「カワハギ」の「ハギ」が訛ってそう呼ばれます。
「バクチ」「バクチウオ」の別名は、「皮がすぐ剥がれる」さまが「博打に負けて身ぐるみ剥がされる」ことを連想させることに由来するようです。
カワハギの生態と旬
カワハギはフグ目モンガラカワハギ亜目カワハギ科の魚ですので、フグとは親戚関係にあたります。
フグ同様白身部分に「血合い」が少なく、血合いの代替機能として肝が大きく発達します。
血合肉は普通肉に比べて、酸素を貯蔵する機能を持つ「ミオグロビン」という色素タンパク質がたくさん含まれています。
その為、 ゆっくりと回遊したり獲物を探し周る時に使われ、長時間の持続的遊泳に使われます。
活動量の多い、マグロやカツオ、サバやサンマなどの回遊魚に血合が多いのはその為です。
天然のカワハギは寒い時期に肝に栄養を蓄えます。肝が食べれないフグと違い、カワハギは栄養がギッシリつまった肝を頂けるのが嬉しい食材です。
身質も非常に似ており、どちらも淡白な味わいでフグの方が身がかたくコリっとした食感なのに対して、カワハギの身質はプリッとしています。
生息域は本州中部以南~九州~東シナ海にすんでいます。幼魚の間は内湾や沿岸近くで過ごしますが、大きくなるとやや沖合に出て過ごします。
カワハギの旬
カワハギは2度の旬を迎えると言われています。
というのも何度も書いているように、カワハギは肝が美味しい食材として名高い食材ですので、肝が発達している時期を旬とすることもあれば、身が発達している時期が旬とされることもあります。
身がよく肥えている通常の旬はというと、春から夏場にかけてですが、この時期は身が発達する分、肝の入りは少ないです。
逆に秋から初春にかけての寒い時期には身は痩せているものの肝はよく発達しています。
カワハギの種類や違いについて【肝が美味さの肝】
カワハギの違いを簡単に解説してみました。
養殖技術の発達で通年美味しいカワハギとその肝が食べれるのは嬉しい事です。養殖物と天然物の味の比較などもまた追記してみます。
ぜひ肝の美味しい冬の季節に召し上がってみて下さい。
では、この辺で。