どうも。ハマちゃんです。
今日は和食の基本である鰹と昆布の1番出汁について解説します。今回注目するのが、出汁の濁りについてです。せっかく手間をかけてひいた出汁が濁ったり、うまくひけていなかったりするとショックですよね。
この濁りについて経験のある方も、出汁を引いた事がない人も納得できる内容で解説しますのでぜひ参考にしてください!
結論から言いますと、出汁が濁る原因として考えられるのは以下の点です。
・出汁を引く際に使用する“水”
・ベースの昆布出汁を引く際の“温度”
・合わせる鰹節の“質”と入れる“タイミング”、入れてからの“漉し方”
このような出汁を濁らせる原因となる問題点をどうやって避けるべきかを明確に解説します。合わせて出汁の引き方や定義についてもご説明してますので参考にして下さい。
そんなの良いから、濁りの原因が知りたいんだよ!!!
て人はスーーっとスクロールするか目次から『出汁はなぜ濁るのか(理由)』を選択して下さいね!
出汁はなぜ濁るのか(出汁を引くの定義)
まず和食に関して言うと、昆布や鰹節と言った旨味成分を多く含む素材から、その旨味を“引き出す”事から出汁を“引く”といいます。この時に注意したいのが、“出汁を引く”と“出汁を取る”は使い分けされています。
・出汁を引くーサッと引きあげ、、旨味を引き出す
・出汁を取るーグツグツ煮出す、、旨味を絞り出す
このように抽出方法の違いによってその方法を言い表す際に、違う言い方をします。
前者は和食ならではの出汁の抽出方法と言ってもいいでしょう。日本の出汁の素材(昆布、鰹節、椎茸、煮干し)から旨味を引き出します。
よく世間一般的にはこの素材を水やお湯に引き出すことを“戻す”と言います。この各素材に応じた正しい戻し方を理解することが、美味しい出汁、質の高い出汁を引ける大事なポイントとなります。
出汁はなぜ濁るのか(出汁の引き方)
では、美味しい1番出汁を引く為に重要なポイントを押さえながら解説していきます。
❶ミネラルウォーターを準備する
まずは水です。質の高い出汁を引く際に水の水質は大事な要素となるようです。水道水には塩素をはじめ数種類の薬品が含まれている為、出汁の成分と反応して不快なカルキ臭さが残ったりする事があります。一般的な浄水器を通せば家庭で使用する出汁に問題はありませんが、プロが上質にこだわるなら軟水のミネラルウォーターを使うと良いとされています。
❷昆布を水に漬ける
ここで昆布が登場します。昆布を選ぶポイント、量や入れる前の注意点を箇条書きにてまとめます。
・昆布を選ぶ際はよく乾燥し、白い粉がたくさんついている物を選ぶ
・表面の白い粉は旨味物質の為、拭きすぎない。
・量は水の量の1%程度(1ℓの出汁を引きたい時に、10g使用)
昆布の周りについた白い粉はマンニットと言う昆布の旨味成分です。
その為、この白い粉は綺麗に拭き取る必要はありません。
気になる場合はキッチンペーパーに少しお酒を馴染ませ、軽く拭くぐらいにしておきましょう!!
❸鍋に火をかける
ここが重要!!!
この時に温度を上げすぎ煮立たせてしまうと、昆布が旨味成分以外にもつ味を損なわせるエグミやぬめり成分などが出てしまいます。高級料亭などでは60度で1時間キープすると良いとされたりもするようですが、一般家庭で出汁を引くのなら水から火にかけ沸騰手前で昆布を引き上げる方法でも十分旨味成分は抽出できます。
僕の場合しっかりした出汁を引きたいのでここで70度から80度の温度で3時間ぐらいキープさせたりします。
ここでの時間や温度は人の感性や使用用途に応じて変わってきます。ですので自分の好きな具合に出汁を引く方法を探し出すのも大事な要素となります!
❹昆布を引き上げ、鰹節を入れる
この時に大事なのもやはり温度とタイミングです。鰹節を入れる際に出汁の温度を沸騰直前まであげます(85度〜90度ぐらい)。火を止めたら静かに鰹節を入れ、鰹節が沈殿するのを待ちます。
鰹節を入れた後にグラグラ煮立たせたり、煮立ったところに鰹節を入れたりすると、
余計や味が出るだけでなく、鰹節のいい香りも飛んでしまうので注意が必要
❺鰹節が沈殿したら、静かに漉す
この時に気をつけて欲しいのが、こした出汁ガラを絞ったりはしない事。
ここで出汁ガラを絞ると余計な雑味が出汁に混ざってしまい、ここまでせっかく丁寧にとった出汁が台無しになります。
まれに、鰹節が沈まない事もあります。
沈まないからと長時間放置すると、出汁が濁ったり余計な味が出てきたりします。
その時はおたまの縁でそ〜っと水面の鰹節を撫でてください。
そうすると沈んでいく事もあります。
ただし、この時に微妙に細かいアクが出てきますので、それは丁寧にすくって捨てて下さい。
絶対にかき混ぜたり、無理に鰹節を沈めようとはしないでくださいね^ ^
出汁はなぜ濁るのか(理由)
ここまでで出汁の引き方や注意点についてはお分かりいただけたのではないでしょうか。
ではここから本題の“濁り”についてです。冒頭で書いた通りいくつか考えられる原因がありますが、その全てをクリアすれば濁る事はありません。
①水質、②昆布出汁を引く際の温度、③鰹節を入れるタイミングと漉し方
この3つがどのように作用し、濁りを発生させるのかを解説します。
まず水質ですが、濁った水から透き通った出汁は生まれないと言う事ですね。いろんな薬品が混ざった水に昆布や鰹節の成分が反応し濁りを発生させます。
ここからがもっと大事なポイントになります!
次に昆布出汁を引く際の温度です。昆布の持つ成分には旨味成分だけではなく、人間が不快に感じるエグミに繋がる成分やぬめり成分があります。これらが昆布を煮立たせる事で無駄に抽出してしまいます。そしてこれらの無駄な成分の分子は大きく、他の成分と結合しやすい特徴を持っています。
次に鰹節を入れるタイミングと漉し方です。鰹節も昆布と一緒で、高い温度や刺激によって余分な味や濁りに繋がる成分が溶け出してしまいます。その一つが鰹節のタンパク質(脂肪分)です。
この鰹節のタンパク質が昆布のぬめり成分の大きい分子と結合し、“濁り”が発生します。
前述しましたように昆布のぬめり成分は分子が大きく、他の成分と結合しやすい特徴があります。その大きな分子1つにたいして、数百個の鰹節のタンパク質と結合できると言われております。
結合した分子は重なり合い大きくなって、目に見える“濁り”となって現れるのです。
出汁はなぜ濁るのか(まとめ)
ここまで読んでくださった方には、濁りがどのようにして生まれるのかご理解いただけたのではないでしょうか。
美味しい料理には、美味しいお出汁が欠かせません!!
ぜひご自宅でも美味しい出汁を引いてみて下さい!!
では。