どうも、ハマちゃんです。江戸前寿司には欠かせないネタである『煮穴子』の炊き方について解説したいと思います。
❶寿司屋で使う穴子について
❷穴子の開き方
❸穴子を柔らかく炊く方法
目次
煮穴子の作り方を寿司屋が解説
寿司屋の煮穴子の作り方を解説します。柔らかく、しっとりふわっとした穴子美味しいですよね。
この記事を読んだら、もっと穴子が好きになりさらに美味しく食べれる
こと間違い無しです。
では、まず穴子について知りましょう。
寿司屋で使う穴子について
穴子は穴子でも普段僕たちが煮穴子としてお客様に提供している穴子は『真アナゴ』です。
食用として市場価値の高い穴子は、真アナゴの他、御殿アナゴ、黒アナゴですが寿司屋で使われているいる穴子はほとんど真アナゴだと思っていて大丈夫です。
旬
旬は 6月頃から12月ぐらいまで
です。
この時期の穴子は脂のノリが比較的いい
ので、賢い寿司屋さんはこの時期に大量に仕入れを行い冷凍してストックしていたりします。
冷凍を嫌う寿司屋さんや業者さんもいますが、今の冷凍技術がありそれなりに知識があれば問題なく冷凍保存が可能です。
今の時代は正しい知識があれば、冷凍技術で食材の良さを引き出したり、維持したりが可能です。
冷凍をすると水分が飛んでしまうと言われることもありますが、それも工夫次第では対策が可能です。
寿司屋の穴子のサイズ
寿司屋で扱うサイズは大体160gから190g
です。
それは脂のノリはもちろん、小骨が気にならないサイズ
だからです。
よく骨を全部抜いてます。てすごい得意げに話す寿司屋さんありますけど、そんなことしなくても上手く処理し上手に炊けば、骨も気にならず柔らかく美味しい穴子が炊けます。
穴子の開き方
穴子は普通の魚とは処理が少し違うため、『開く』
という表現をします。面白い事に開き方には関東流と関西流
があります。関東流は穴子の背中側から包丁を入れるのに対し、関西流は腹側から包丁を入れます。
ん、なぜ??
こういう豆知識も知っておくと寿司屋でちょっと泊がつきます。
関東流
江戸時代の話になりますが、、、
関東、要は江戸は武士の町
だったので腹を開くと言うと、切腹を連想され縁起が悪い
とされていたためらしいのです。
関西流
関西、大阪は商人の町
。お客さんとの付き合いでは腹を割って話す
、裏表の無い人間が良い商売人とされていた為、腹を開くようになったとされています。
江戸時代はダジャレ好きや、縁起を担ぐ人が多かったのです。諸説あるかと思いますが、これら説が1番僕の懐に落ち着いたので僕はこの説を信じています。気になる方は調べてみてくださいね。
手順
では、簡単に手順を解説します。僕は関西流腹開きでアナゴもウナギも開きます。
- 目打ちで固定し、肛門から頭に向かって腹を開く。
- 内臓と、血合を取り除く。
- 背中の皮を残して、腹開きにする。
- 頭を落とし、中骨、ヒレ、腹骨を取り除く。
- 残った血合を包丁でこすりとる。
ここまでで開いた穴子の状態になってます!
鮮度が落ちやすい為、とにかく手早く!
背びれ、尾びれ、腹びれの除去は丁寧に!
気になる骨はすき取る!
この後、開いた穴子を炊く過程をご紹介します!!
穴子を柔らかく炊く方法
ここからは寿司屋の柔らかい穴子をたく秘訣
を交えながら解説します。
煮穴子は柔らかい事が大前提です。どうやって柔らかく炊くかが職人の腕の見せ所ですが、要点さえ抑えれば誰でも柔らかく炊く事ができます。
ずばり醤油を入れるタイミング
です。割と普通のことですが、大事なポイントです。
塩分を多く含む醤油を穴子が柔らかくなる前に入れてしまうと、塩分の粒子が穴子の身を絞めてしまうため味のノリも悪くなる上に思うように柔らかくなりません。
僕はある程度柔らかくなるまでは醤油を入れません。他にも柔らかくする秘訣はあるのですが、これを守って火加減さえ間違わなければ基本的には柔らかく炊けると思います。
手順
その他の秘訣も交えながら手順を解説します。
❶5:1の割合で水とお酒を合わせ、砂糖をいれ沸かす。
※砂糖の量は好みで大丈夫です。目安は酒水1リットルにたいして80〜100gぐらい
ここでお酒を入れるのには理由があります。
1つは酒に含まれる有機酸により、穴子が柔らかくなること。
もう1つは穴子特有の臭みを消すこと。
穴子の皮目に❶の酒水をかけ、ぬめりを浮かす。
ここで浮かしたぬめりをたわしで軽くこすり落とす。
ここでこすりすぎると、穴子の味が抜けたり、のこしたい皮目の香りがぬけることにつながる為、軽くこする程度にとどめること。
わかした❶の中に穴子を投入
身の方から味を含ませたいので、身側を下
にして入れる事。
火加減は弱中火
。穴子を入れて再沸騰し始めたら落し蓋をして、15分間炊く。火加減に注意。
落し蓋の周りからプクプク泡が出るくらい。
穴子は炊きすぎると逆にほろほろになり扱いづらくなります。少ない炊き時間で味をしっかり含ませるためにも、落し蓋は必ずしておきましょう!
15分後、柔らかさを確認
おおかた、この時点でふわっと感がでてくるのであとは好みで、5分〜15分で炊き加減を調整する。
1で入れた酒の量の半分程度の量の濃口醤油を入れる。
※水 : 酒 : 醤油 = 5 : 1 : 0.5 あくまで目安
好みで醤油を含ませたい具合に応じて、再沸騰から5分ぐらい炊く。
僕はここでほとんど炊かずに、香りづけ程度に醤油にくぐらせ、再沸騰したらすぐ地からあげてしまいます。何故なら究極にふわっと仕上げたいから
です。
醤油の味が多少入らなくても、穴子の握りの場合はツメたれを使用するため、後で調整できます。ご自宅で炊かれるなら醤油を入れてから、少ししっかり目に炊いてあげる事をお勧めします。
穴子を地からあげる
穴子を炊き地からあげ、皮目を下にしてまっすぐ伸ばして保存。
ポイント
- 30分以上は炊かない事
- 醤油を入れるタイミング
- 地から引き上げる時に、穴子が崩れないように。
穴子を煮る(最後に)
今回の記事は江戸前寿司の代表的なタネである穴子について解説してみました。
自宅で穴子を炊く機会てめったにないと思います。しかし、寿司屋によってさまざまな炊き方、味の含め方、提供の仕方があり奥が深いです。
ぜひあなた好みの穴子をみつけてみてください。
どうやったらあんなにふわふわに作れるのか教えてください!